2024.08.20
お中元などの贈り物を贈る際に気を付けたいのが、のし紙。
のしや水引、表書きなど、どうしたらいいの?と悩んでしまうことも多いですよね。
お中元だけではなく、様々な場面で使い分けられるよう、その意味や由来について改めて知っておきたいという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、のし紙の基礎知識とお中元でのマナーを見ておきます。
のし(熨斗)とは、慶事の際の贈答品に付ける飾りのこと。
のし紙自体を「のし」と呼ぶこともありますが、本来は紙の右上に付けられる長細い六角形の飾りが「のし飾り」、その中に包まれている黄色の紙が「のし」です。
元々のしは「熨斗鮑」と呼ばれ、アワビを薄く切ったものをのして乾燥させたものを用いていました。
アワビは古くから長寿の食べ物として珍重され、神事、祝儀の際の供え物として欠かせない存在だったのです。
一方で仏教の普及により、仏事の際に魚介類などの生臭物が禁じられるようになりました。このため仏事でない贈答品であることを示すために生臭物の代表としてのしが付けられるようになったと言います。
お中元にものしを付けますが、贈るものが生もの場合には、本来はのしを付けなくてもよいということになります。
ただし最近ではあまり気にされない方も多くなり、のしを付けて贈ることもあります。
水引とは、贈答品等に用いられる飾り紐のことです。
古来中国からの輸入品に紅白の紐が結ばれていたことから、日本でも定着したと言われています。
最近では紐を結ぶのではなく、掛け紙や袋に水引がプリントされたものを利用することが多くなりましたが、水引の色や結び方については古くからのしきたりが守られています。
お中元には紅白の水引を用い、結び方は蝶結びにします。
紅白の水引は慶事全般に用いられるものですが、長寿のお祝いや結婚祝い等特別な場合には金銀の水引が用いられることもあります。
「蝶結び(花結び)」は何度も繰り返しても良いお祝い事に用いられる結び方で、お中元やお歳暮、その他諸々のお祝いに使用します。
反対に結婚祝いやお悔やみ等、二度と起こらないでほしい出来事には「結び切り」とします。結び切りの一種「あわじ結び」は、紐の両端を引っ張るとさらに強く結ばれることから、末永いお付き合いを願う気持ちを込めて用います。
のし紙には、贈り物の目的や贈り主の名前を書きます。
上段には大きく「御中元」、下段にはそれよりもやや小さめに名前を記します。
お中元を贈る時期を逃してしまった場合、立秋(8月7日頃)までは「暑中御見舞」、立秋から9月上旬頃までは「残暑御見舞」として贈ります。
目上の方へ贈る場合には、表書きをそれぞれ「暑中御伺い」「残暑御伺い」としましょう。
また、お中元は通常一定期間贈り続けることを前提としていますが、今年特にお世話になった方へのお礼として贈りたいという場合には「御礼」の表書きで贈るのもよいと思います。
のし紙の掛け方には、外のしと内のしの2種類があります。
外のしは包装紙の上にからのし紙をかける方法、内のしは品物に直接のし紙をかけ、その上から包装紙で包む方法です。
外のしでは贈答の目的がはっきりとわかるため、結婚祝いや長寿のお祝いといった祝い事、また大勢の前で披露される場合などに用いられることが多いようです。
内のしでは開けてみるまでわかりませんので、控えめに贈りたい場合に用いるとよいと言われています。
また、持参する場合は外のし、配送にする場合は内のし、関東では外のし、関西では内のしが一般的と言われることもあります。
お中元ののし紙は通常紅白蝶結びの水引が描かれたものを用いると言いましたが、贈る側・贈られる側が喪中の場合には事情が異なります。
喪中の場合にはこのようなのし紙はふさわしくありませんので、水引やのしのついていない無地の奉書紙や白短冊で贈りましょう。
喪中であることを知らずにのし紙を掛けてしまった場合には、電話で一言お詫びをすると気持ちが伝わるのではないかと思います。